スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
1ヶ月余りの日本滞在を終えて、一つの結論に達した。
途上国向けビジネスを考えるのに、日本発にこだわるのはもうやめよう、と。

会社の卒業生の方にBOP(Bottom of the pyramid)向け商品開発の相談をしていたときのこと。
「できれば日本の技術を生かして」と話したら、
「なぜ?日本ほど途上国から距離が遠くて、リスクをとるのが嫌いで、おまけに寄付への税制優遇もなく、ベンチャー投資も集まりにくいところも少ないのに?」と突っ込まれ、ぐうの音も出なかった。

ある投資会社の方と話をしていたときのこと。
日本の高度経済成長を支えた会社を上り詰めた方が、辞めて始められた投資会社だったのだけど、会社を辞めて日本社会を眺めてみたら、驚くほど次のトヨタ・ソニーになるような会社が日本にないことに落胆をしたそうだ。
そこで、これからは日本で培った知・技術・資本を、発展著しいアジアに投資しようと、アジア発の会社に資本注入をしているとのこと。
「それじゃあ日本はどうなるのですか?」とつい聞いてしまったら、
1.日本の資産(お金にしろ知財にしろ)は、最も伸びる市場で運用されることでリターンが最大化される
2.日本でのイノベーション促進のためには、日本に世界の声を取り込む、すなわち日本というプラットフォームに世界の知であり、ニーズが集うようにすべきで、日本人だけで集まっていても、今の世界に適したイノベーションは生まれない
と言われ、またもぐうの音も出なかった。

日本で起業家育成を行っている方も、日本でBOPビジネス促進を手がける方も、まるで申し合わせたように、日本から海外に飛び出すようなベンチャー・中小企業がいかに少ないかを嘆いている。このままだと、この国の10年後はどうなってしまうのだろう、と本気で嘆いている。
状況を変えるために、いろいろと促進策を試してみる。ビジネスプランコンテストだったり、シーズファンドの供給であったり。それは政府もとてもがんばっている。
が、状況は変わらない。足りないのは、ひょっとすると表面的な「目に見える仕組み」ではないのかもしれない。

「どうやったら、日本は変わるのでしょうか?」との問いに、複数の方が、日本の枠を外れて世界で活動する人が増えること、先行事例がより多く作られること、と答えた。
ずいぶんと飛躍がある答えだが、皆さんの真剣な顔つきから、その答えはとても本質に近いように感じた。


逡巡の末、「もう日本にこだわるのはやめようと思います。世界を見渡して、自分が解決したいと思う課題に忠実に、課題解決に最も効率的な方法で、世界からリソースを調達してみようと思います。」というような話を、人生の先輩のKさんにしたら、深くうなずいた上で、
「世界を救うのに日本を救う必要はないが、日本を救うのに、世界を救う必要がある」と言った。
(あまりに言い得ていて、思わずノートに書きとめてしまった。)

考えてみれば、日本の問題を解く鍵が、日本の中にないのは、当たり前のことなのだ。
資産運用にしたって、モノを売る行為にしたって、成熟しきった日本市場から外に目を向けて、これからの成長市場に振り分けないことには、十分なリターンも得られない。
社会的な課題解決にしても、日本の安全保障・豊かな環境を脅かす危険因子は、国内よりもはるかに海外に山積している。
日本が今後も豊かさを保つためには、(おそらくたぶん)世界のニーズに応え、世界の課題解決に取り組むことが、めぐりめぐって一番の近道なのではないだろうか。日本のことを一旦忘れて、世界のことを最優先で考える日本人が増えることが、最後は日本の国力につながるのではないだろうか。


もちろん、日本国内にも課題は山積みであることは重々承知しつつも、こと途上国向けビジネスについては正しい方向性な気がする。私自身の将来の身の振り方はいったん置いておいて、さしあたり「日本」という制約を方程式からはずして、目の前の課題に取り組んでみようと思った今日この頃。






スポンサーサイト
Business | コメント(8) | トラックバック(2)
コメント
global leader
この記事を読んで、僕もぐうの音がでなくなりました。
ううむ。
困ったことになりました。。。

そうですよね。。。
No title
人道的な側面はともかくとして、BOP向けビジネスを促進することって本当にいいことなのでしょうか。途上国の急激な経済的発展は地球環境に悪影響を及ぼすのではないでしょうか。
江戸幕府が300年続いたのは「百姓は生かさぬよう、殺さぬよう」政策運営をしたからではないでしょうか。
すいません、生意気なことを言いまして。
No title
日本の問題は、環境・安全保障・公衆衛生等の外的要因よりも、経済及び社会問題の内的要因が中心のように見えます。

社会政策あるいは社会の構造的要因に経済政策や産業が足を引っ張られている中で、未だに「内向きなのに外の世界に(都合のいい)答えを見いだそうとする」というメンタリティから抜け出ていないのではないか、と思うことが多々あります(輸出や投資からはじまり、比較研究等々)。

一個人として貧困問題に携わるという点で見れば確かにKさんのおっしゃるとおりなのですが、他方で日本が衰退していくことは誰かがこの分野で日本の代わりを果たさなければなりません。貧困問題に携わっている日本人が、日本から有形無形の恩恵(と損失)を常に受けているという視点は持っていて欲しいです。

もちろん国境を意識せずに物事を考え、行動出来る人(日本の国外で働いているばかりではなく)が国内に増えていくことは(危機を認識し、行動と覚悟を促す上で)必要不可欠なんですが。

一個人が出来ることが限られている中で少数の日本人にあらゆる期待を負わせるのも変な話ですし、個人が今いるフィールドで出来ることをやるしか選択肢はないんでしょうね。
No title
皆さん>

コメントありがとうございます!

Paradiseさん>
大丈夫です、困ったことになってないですよ、きっと。日本に帰るたびにParadiseさん始め、意識の高い方々に会うと、「きっとなんとかなる」という気分になります。


>BOP向けビジネスを促進することって本当にいいことなのでしょうか。途上国の急激な経済的発展は地球環境に悪影響を及ぼすのではないでしょうか。

人類の経済成長が過去環境に与えてきた影響はともかく、今、現時点で途上国開発を進めることはむしろ環境問題の改善につながると考えます。
人口増・農地拡大に伴う環境破壊、環境技術がいきわたっていないことによる環境汚染、またもちろん地球温暖化問題も含めて、環境問題の大半は途上国が貧しいことから来ているといっても過言ではないのでしょうか。
「生かさぬよう殺さぬよう」の政策に関しては、第1次世界大戦後の厳しい賠償金が第2次世界大戦を引き起こしたことからも、あまり持続的な策とは言えないのではないでしょうか。アメリカを始め先進国がよっぽど寛大な戦後復興を行ってくれたからこそ今の日本があるのでは?

Outernationjpさん>
>社会政策あるいは社会の構造的要因に経済政策や産業が足を引っ張られている中で、未だに「内向きなのに外の世界に(都合のいい)答えを見いだそうとする」というメンタリティから抜け出ていないのではないか

というご指摘、確かにおっしゃるとおりかもしれません。
学生時代・社会人時代ともに東京で過ごし、仕事でも大企業ばかりとつきあってきたので、日本の問題をとても歪んだ形で捕らえてしまっているかもしれません。(もっと正確には、私が見ているのは「東京23区」の問題なのかもしれません。。。おそらく四国や北海道では問題は全く違うでしょうから。)

また、
>個人が今いるフィールドで出来ることをやるしか選択肢はない
という部分にも心から共感します。
それについては別のエントリーで改めて書くことにします。



No title
>「できれば日本の技術を生かして」と話したら、「なぜ?日本ほど途上国から距離が遠くて、リスクをと
>るのが嫌いで、おまけに寄付への税制優遇もなく、ベンチャー投資も集まりにくいところも少ないの
>に?」と突っ込まれ、ぐうの音も出なかった。

自分も最近、エンジニアとして日本の技術を生かしてBOPビジネスをしたいと考えていました。
確かに、"なぜ日本の技術?"という考えはありました。
これに対して自分は、日本は他国にはない技術力を持っているからだと考えていました。
確かに日本は今は最先端技術に特化しているが、少しでも適正技術にシフトしたら
日本の技術を生かせると思います。

では、どうしたらシフトするのか?
それは、先駆者が必要ではないかと考えています。







No title
ブルーノ>

おっしゃるとおり!それはこれから5-10年が勝負だと思ってます。
ご存知かもしれませんが、すでに消費者向けのハイテク製品向けの技術については、日系メーカーと、アジア(韓国・中国・台湾)のメーカーとの技術力の差はほぼないと言われています。(例:パソコン、家電など)
まだ技術的な差異が残っているのが、産業用機械や自動車など、すり合わせ技術が色濃く残っている領域。でもこの領域も、どんどん差を詰められています。
ほかの領域で希望がありそうなのは、材料・素材の領域と、あとは環境技術の領域あたりかな。
このあたりで、世界の主要消費者セグメント(それはすでに中国・インドのマス層に移り始めていると思います。まだまだ表面化している部分は少ないでしょうが、トレンドとしては間違いなく。)が求めるものを作れるか。

ブルーノさん、期待しています。
もっと世界に出て活躍してほしいです。。。
本当に、『日本の枠を外れて世界で活動する人が増えること』って大事だと思います。
グローバルレベルで活躍できる人が
どんどん増えていってほしいと思いますね。。
TwitterでTweetさせていただきました♪
No title
コメントありがとうございます!
ロタさんに刺激されて私もTwitter始めてみました。。。Followしてますよ~。

管理者のみに表示
トラックバック
財務省から2009年の国際収支状況が発表になりました。貿易立国である日本の厳しい状況が浮き彫りになる数字が並んでいます。 経常収支: 13兆2,782億円の黒字 (対前年比▲3兆1,016億円[▲18.9%] 黒字幅縮小) については、戦後以来の黒字は維持しているといった
財務省から2009年の国際収支状況が発表になりました。貿易立国である日本の厳しい状況が浮き彫りになる数字が並んでいます。 経常収支: 13兆2,782億円の黒字 (対前年比▲3兆1,016億円[▲18.9%] 黒字幅縮小) については、戦後以来の黒字は維持しているといった

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。