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毎週金曜日のお昼には、ケネディのCenter for International Developmentでランチセミナーがある。
ランチがとても豪華なので、たいていご飯目当てに行くのだが、今週のトークは大変に面白かった。

スピーカーは、ケネディ内のEntrepreneurial Finance Labの研究者。
テーマは、途上国の中小企業のファイナンシング。
先進国では、小規模のママパパ企業から大企業まで、そこそこやまなりに分布しているのに対して、途上国では、小企業と大企業の間に、「Missing Middle」と呼ばれる溝がある。

この溝の原因について、
「中規模のビジネスは収益を確保するのが難しいから数が少ない」(企業環境上、中規模はビジネスがしにくい、小規模を中規模にするところで多くの人がビジネスに失敗するなどなど)という仮説と、

「小規模のビジネスが中規模に行くにあたってのファイナンシングが難しい」(手形がなく、一定規模以上のお金が借りられない、など)という仮説が考えられるが、
ビジネスの収益性やビジネス環境を調査してみると、中規模ビジネスは収益性が高く、前者の理由は考えづらいという。

では、なぜ銀行は、マイクロファイナンス会社は、ベンチャーキャピタルは、お金を貸さないのか?
それは、途上国のほかの金融分野でも広く見られる、「Transaction cost」の壁があるからだ。
ビジネスプラン、収益性など、事業の可能性を判断するデューデリジェンスのコストは数千ドル~数万ドル。200万のお金を貸すのに、50万かけて査定をするわけにはいかないから、手形がある人、クレジット履歴がしっかりしている人以外は、断らざるを得ないのだ。

マイクロファイナンス、マイクロ保険などは、この査定コストの壁を乗り越えるために、5人組のようにグループを作り、返済義務をグループで負わせたり、村全体で保険の一括審査をしたりしている。

これが中規模の借金になると、なかなかグループで共同で、というのも難しい。
そこで、このEntrepreneurial Finance Labでは、中規模の企業の経営の良し悪しは、ほぼ経営者で決まる、という仮説の元、経営者の「起業家適正」を測るテストを受けさせることで、審査コストの大幅削減ができないか研究している。

テーマだけ聞くと、まゆつばな気がしてしまうこのアイディア。しかし、実際に実験をしてみると、驚くほどの精度で、借金の返済可能性が審査可能だという結果が出ているという。(まだ実験段階なので、初期結果であることに注意。また、IRR20%以上といった大きなリターンの予想ではなく、あくまでちゃんと借金を返してくれるか、という判断ツールであることに注意。)

適正テストは、IQテスト、心理テスト、倫理テストなどから構成されている。
社長の適正スコアで貸付の査定をするこのアイディア。
政治的、倫理的に、物議をかもし出す可能性はありそうだが、これで途上国の中小企業のAccess to financeが改善されるなら、こんなにBrilliantなことはない。

それにしてもこのテスト。受けて「あなたは起業家に向いていません。」って言われたら、相当ショックだろうなあ・・・。



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Kennedy School | コメント(4) | トラックバック(0)
コメント
No title
初めて書き込んでみます。

面白いアイデアですね!
テストを受ける側がテストの意図を知り得ないようにするために、どんな工夫がされているんでしょう?もし意図がわかっていたら、審査に通りやすくするような答えを準備していくような気がするんですよねー。
No title
Charさん、

コメントありがとうございます!はい、物議をかもしそうだと思ったものの、とても面白いトピックでした。
ご質問の「ずるをする人」を防ぐ方法ですが、まずIQテストはIQを測っているので、ずるしようと思ってもなかなかできないです(5秒で何桁まで数字を覚えられるか、とかがトピックなので・・・。)
心理テスト等は練習等をしたらもう少しうまく答えられるようになるので、質問内容は未公開だとのことです。
でも、おっしゃるように、この方法が普及したら、マニュアル本とかが出てしまって、テストの意味がなくなってしまいそうですよね。ううーん、、、そうなったらどうするのか、、、私も知りたい(笑)。
No title
記事を読んでいたら面白そうだったので。

なんかアメリカ人の起業家はネットワーキングの延長で資金を調達している中、現地の人はテストで数値化というのは、倫理的にどうなのかしらと思うところはありますが。

チームでやる起業の場合パフォーマンスというのは必ずしも代表者のキャパシティによらないと直感的に考えてしまうのですが、研究上の仮説というのはその辺りのfining factsがあるんでしょうか・・・(ちょっと知りたいので、お願いします!!)
No title
こちらもコメントありがとうございます。
チームワークのところ、実は別の方からも指摘を受けて、気になり始めていたところでした。
研究結果の詳細を再度聞く機会があったら、アップデートをするようにいたします。

現時点の私の理解では、High growthを期待するベンチャーを見ているというよりは、いわゆる中小企業にお金を貸すか貸さないかの判断をしようとしている場においては、先進国でも途上国でも、どうやら「社長の信用レベル」を測るテストと、返済率が恐ろしく相関するようだということです。

チームで起業する場合も、もちろんチームワークによるものの、社長が例えば不誠実だったり、ビジネスの知識が全く無い場合、借金を返済できないリスクが高い、ということかもしれませんね。

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