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「経済発展は国民の福利向上に役に立つとおっしゃいますが、先生、アルゼンチンでは、経済はずっと成長してますが、失業率は上がる一方ですよ。」

Lant Pritchettのケースワークショップの授業中、アルゼンチンの中銀から来たクラスメートが、たまらず口をはさんだ。

Lant Pritchettの授業スタイルは、アメリカでたくさん見てきたプレゼンスタイルの中でも独特だ。
まず、Department Headとしての新入生歓迎のスピーチでは、「ようこそ。ここに入学したからには君たちは安心していい。なぜなら、ここは世界で最高の国際開発の教育プログラムで、世界最高の教授陣が揃っていて、世界最高の学生をとってるからだ。ハーバードは謙遜を得意としなくてね、、、だから私も最高と言い切ることを恥とは思わない。」と、言い切った。
(そして、それは、少なくないクラスメートの反感を買った。)

授業でも、アメリカの先生では極めて珍しく、クラス内での挙手を半ば無視して熱っぽく自論を断定調で語る。いわく、

§Development(開発)とは、「加速的」に人々の「福利」を向上させる活動のこと
(「加速的」とは、例えばアメリカが200年かけて、年率2%で成し遂げた成長を韓国が50年で追いついたように、向上スピードを上げて、取り組むこと)

§開発とは、下記の四つの現代化によって、行われる:
1. Economic Prosperity (経済発展)
2. Increasing social equality (社会的平等の促進)
3. Politics representing citizens' will (市民の意見が反映される政治体制(たとえそれが民主主義でなくても))
4. Administrative capacity (行政処理能力の向上)

§経済発展と、国の発展は、およそどんな指標で見ても極めて高く相関する
-GDP成長率 vs. 貧困削減率 
-GDP成長率 vs. 乳幼児死亡率
-GDP成長率 vs. 幸福指数*

*これが、鮮やかなほどに相関するのだ:

happiness

(出典: Deaton, 2006)
  
一人あたりGDPが10000ドルを越えてくると、いやいや日本よりもスペインのほうが幸せじゃないかとか、我々もコスタリカを見習って、LOHASを目指そうといった議論が起きても、まあおかしくないが、チャドと日本とどちらが幸せか?開発は本当に人々を幸せにするのか?といった議論は、全くもってナンセンス、というLantの主張には、ふかーく納得。

§国家間の経済格差は、国内の経済格差よりも、はるかに大きい
すなわち、日本の下位5%のワーキングプアが、どんなに貧しかろうとも、例えばインドの上位5%の人の平均所得よりも貧しいということは無いということ

鮮やかな図解に、いままでのうやむやっとした国際開発への疑問がさわさわと晴れていく。

もちろん、言い切り型で授業を受けていると、「ええ、でもー」と、思わず反論したくなるのも、人の常。
例外もいくらでもあるだろう。
でも、世間一般で取り上げられやすい論調が、いかに普遍性を欠いた議論であるかがわかるだけでも、開発素人の私には目からうろこだった。

ちなみに、冒頭の女の子の質問に対して、散々無視した後でのLant Pinchettの答えは、こんな感じ:
「例外はもちろんありますとも。私の経済学者の友人のXXXがある時こう言ってましたよ。
『経済学の理論には必ず例外が二つある。それは、日本とアルゼンチンだ。』」
(え、えー?!)

うーん、このちょっぴりSnobbishな先生の授業、好きになってしまいそう。
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Economics | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
LP節相変わらず炸裂してますね。。。前は相方だったSummersがもういないのが残念ですが、首尾よく経済寄りに洗脳(笑)すすんでいるようで何よりです。

いいかげんにしかeconをやらなかった僕の頭のなかでまだ限りなくぼんやりしている、経済学で解けたはずのことと(特に危機以降よく指摘される)解けていないどころか解こうとしてこなかったこととの境界面を、ぜひ見極めて教えたって下さい。
No title
Konpeさん!コメントありがとうございます。
授業を取りながら、よくKonpeさんに教わったことを思い出してますよ(笑)。

はい、こちらでは順調に経済寄りに洗脳されてます。洗脳されすぎて、経済学では解けていないことが見えるようになるかどうか、ぜんぜん自信がないのですが、がんばって精進します。。。

ほかにもボストンでいろいろ活動が進み始めていて、相談したいことが山盛りですが、、、それはまたメールしますね。

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