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矛盾を受け入れる

2008/09/11 Thu 00:12

2週前のスラウェシ島に引き続き、先週末は中部ジャワに視察に行ってきました!

今度はUSAID(アメリカ政府の援助機関)の活動地域。

中部ジャワ最大の都市はジョグジャカルタという古都。ジャカルタに首都が移転する前に王宮があったところで、いわば京都のようなところ。
近くには仏教寺院の遺跡であるボロブドゥール遺跡と、ヒンドゥー教の遺跡であるプランパナン遺跡があります。

2年前に比較的大きな地震があり、それもあってUSAIDが活動の拠点を置いている。
中部ジャワの付近、特にグヌンキドゥル地区の近くは水がないことで有名なので、今回はアクセスできる水の絶対量が少ない村々をめぐるのが目的。

・・・と、いうことで、木・金・土曜日と精力的に村々を回ったのだけれども、やっぱり遺跡も巡らなくっちゃ!ということで、日曜日は遺跡めぐりをしました!

(ブログの内容からして、旅行の目的が本末転倒になりつつありますが、、、、あとから、ちゃんと本題に戻ります、、、ええ、きっとたぶん。)

こちらがプランパナン遺跡

temple1

残念ながら修復中。

そしてこちらがボロブドゥール遺跡

temple2

この遺跡はすべて6階立てになっていて、1階ずつ回れるのだが、壁中を埋め尽くすレリーフがとにかく素晴らしかった。

小さな川を1本ずつ隔てて、このミニチュア版の寺院があと2つある。
正式には一つ目のムンドゥッ寺院→川→2つ目のパオン寺院→川→ボロブドゥール寺院の順にお参りをするのだそうだ。

と、こんなことを知っているのも私が前日にボロブドゥール遺跡のある公園内にあるホテルに泊まり、そこで30分の紹介ビデオを見たからなのだが、そのビデオに印象的なレリーフが紹介されていた。

temple3

1つ目の寺院には、俗世の煩悩を象徴する動物の寓話が多数象られている。
その一つがこの写真にある2つ頭の鳥の話。

---
昔、昔、一つの胴体に二つの頭を持つ鳥がいました。
上の頭はいつもおいしい木の実を食べられたのに対して、下の頭はいつも上の頭が食べ残す残りかすしかありつけません。
下の頭は一生懸命上の頭に訴えました。「もっと食べ物を分けて。」
でも、上の頭は聞く耳を持ちません。「どうせ同じおなかに入るんだから、一緒じゃないか。」
下の頭はくやしさのあまり、毒の入った実を食べました。
そして、二つの頭とも、毒によって、死んでしまいました。
---

ビデオは、その寓話を今の世の中になぞらえる。
持つものと持たざるもの。
遺跡を見学に来る観光客と、その観光客になんとかみやげ物を売りつけようとする村人。
栄養失調で亡くなる子供たちと肥満で治療を受ける大人たち。

この世の中の不公平さは、そう、頭の中ではみんなわかってる。


でも、どうすればいいのだろう?


「まあ、ひどい。」と、怒ることは簡単だ。
私は二つ頭の鳥とは違うと自分を偽ることもできるかもしれない。

でも、私はよーく知っている。
150ドルのホテルは高いと思わなくても、私は売りつけられるボロブドゥール遺跡のミニチュアには一銭も払う気はないことを。
どんなに不平等だろうと、今の豊かさを手放せないことを。

一方で私が全財産をはたいて遺跡のミニチュアを買ったところで格差はなくならないことも、
貧困撲滅を唱えながら高級料理を食べている人を責めても全く仕方がないことも、
社会主義が機能しないことも、
そんなことを考えながらも、なんだかんだと、今夜なにを食べるかのほうが、えてして重要だったりすることも、ぜんぶ、わかってる。

自分のわがままも傲慢さも偽わりの善意もすけて見えてしまうだけに、ここにいるといつも以上に疲れてしまう。日本にいたら目をつぶって無視できた矛盾を、毎日、毎日、目の前につきつけられるのは、やっぱりつらい。

・・・・・・

最近になって、オトナになるというのは、矛盾を許容することなのではないか、と思うようになった。

子供の頃、世の中には白と黒しかない、と頑なに信じていた。
今は、この世の中にはグレーしかないんだな、と思う。

たとえば、水道局の水源保護のための植林活動に借り出される上流地域の村には水道水が届いていないことも、
パブリックセクターは汚職まみれだけれども、一方で公務員の正規の月給だけでは一人分の2週間分の生活費にも満たないことも、
国連はいつでも「政府の能力開発が鍵」と言っていながらも、国連の給料が一番良いので、その国の一番優秀な人材が国際機関に集まってしまうことも、
国連、国連、と言いながら、自分自身はおそらく3,4年に一度世界各地を回る国連職員にはならないのだろう、ということも、

すべてを白か黒かに分けられたら楽なんだろうけれども、事実をありのままに許容しなければ、きっとたぶん問題解決は始まらない。

・・・とても正直に言えば、本当はすべてに目をつぶって現実から逃げ出したいのだ。

でも、自分のスタンダードを下げてしまったら、私は、私の尊敬する人たちに合わせる顔がなくなってしまうから、

あと、もう少しだけ、がんばろうと思う。








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UNDP / GSB | コメント(7) | トラックバック(0)
コメント
No title
世の中に溢れかえる矛盾、難しい問題ですよね。精神的に辛いのも理解できます。しかし、多くの人は矛盾が存在する事さえ気づかずに生きている中で、shanちゃんはそれを真に受け止め、頭の中で葛藤を繰り返しながら生活しているんですね。そりゃあ疲れちゃうでしょう。
どこまでを許容範囲とし、どこからを改善すべきと判断できるようになると、楽になるのかな、などと思いますが。。。うーん私も分からない(苦笑)
No title
まりさん、

コメントありがとうございます!お元気ですか?Stelaいかがでした?
そうそう、おっしゃるように、どこまでが自分が影響を及ぼせる範囲でどこからは仕方のないことと受け入れるべきことなのか、の切り分けがまだできてないのですよね。まだまだ未熟だということなのだと思いますが。。。そこができるようになったらもう一歩オトナになれると思うのですが、、、まだまだ道のりは遠いですね(苦笑)
No title
シンプルにいい文章だね。
いつも楽しく拝見させてもらってます。
またしゃんに会いたくなったわw
No title
りくさん

体力的にも精神的にも、そろそろ疲れが出る頃です。
疲れたら丘に登り、風の声を聴いてみてください。
No title
Shan さんへ
興味深く拝見しています。
頭では理解しているつもりの事でも、実際に目の当たりにした時の印象は相当なのでしょうね。御察しします
複雑で一筋縄では行かない世の中ですが、同時に、こうした不条理を克服すべく取り組んでいる人達がいるのも事実。そうしたプロフェッショナルとして戦う情熱の根っこには、今、shanさんが感じている思いがあるように感じています。
辛いと思いますが、がんばってください。
応援してます。
No title
にしおかくん>
久しぶり!メッセージありがと。メールの通り、今度東京に来たときにはぜひ会いましょ。私もいろいろ話が聞きたい!

とくながさん>
暖かいメッセージをありがとうございます!とてもうれしかったです。風の声、実際にバリ島まで聞きに行きましたよ(笑)。先週末、日本の3連休を利用して、両親がバリに遊びに来たんです。なんだかんだいって良いところですねえ、バリって。

ろんさん>
メッセージありがとうございます!はい、ほんとにおっしゃるとおりですね。。。私もプロフェッショナルの駆け出しとして、もう少しがんばらなくちゃ、と思う日々です。ちなみにろんさんは私が思っているろんさんでしょうか。そうだと思いつつ、自信がなかったり。。。
No title
世の中をより良く出来るようにお互いがんばりましょうね!
東京でロボット?を作っている「ろん」より

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